太らないために知っておくべきこと
太らないためにどうすればよいのでしょう?あなたの体を太らせる原因や、太らない身体づくりに欠かせない食事をご紹介。さらに、太らないための行動学的、運動学的、脳科学的アプローチについてそれぞれ解説します。
このページは、書籍「一度太るとなぜ痩せにくい? 食欲と肥満の科学 (光文社新書) 著者:新谷隆史(初版発行2018/7)」を参考にして作成しています。
この本では、より詳細な根拠やそれを裏付けるデータをもとに「太る」メカニズムとそれを、阻止するアプローチ方法が、非常にわかりやすく説明されています。ご興味を持たれましたら、是非、本書の方をチェックしてくみてください。
砂糖と脂質の誘惑は超強力
砂糖と脂質にそそられるのは動物の本能
一度ダイエットに成功したのに、お菓子や揚げ物を我慢できずリバウンド…なんて経験はありませんか?
甘いものや脂ものはカロリーが高いだけではなく、食欲をかき立てる要因です。
本来食べ過ぎることがないマウスでさえ、砂糖と脂質を見ると食欲が増すという実験結果があります。2015年にカリフォルニア大学で行われた実験によると、満腹のマウスに普通の餌を見せた後にピーナッツバターを見せたところ、普通の餌よりも強い食欲反応があらわれたという結果が出ました。また、研究員の話によれば、マウスが一度も食べたことがないチョコレートを見せたときにも強い食欲反応があらわれたという結果が出ました。また、研究員の話によれば、マウスが一度も食べたことがないチョコレートを見せたときにも強い食欲反応があらわれたという報告も。
これらの実験結果から、脂質や糖分には、食欲を強くかき立てる作用があると示唆されています。
マウスは本来肥満になりにくい動物ですが、砂糖と脂質をたっぷり含んだ餌を与えると途端に食べ過ぎを起こし、あっという間に太ってしまうことが分かっています。
カリフォルニア大学では、同じ種類のマウスを2つのグループに分けて、片方には普通の餌(炭水化物60%・たんぱく質30%・脂質10%)を与え、もう片方のグループには砂糖と脂質を多く含む餌(脂質30%・砂糖20%)を与える研究が行われました。普通の餌を食べたグループのマウスは、成長期間中は体重の増加がみられたものの、成長が止まると体重が安定。対して、砂糖と脂質を多く含む餌を食べたグループのマウスは、成長が止まった後も体重が増え続け田と報告されています。これは、砂糖と脂質によって食欲を調整する機能に異常が起こったためです。
人間もマウスと同じように、脂質と糖分を多く含む食べ物を摂ると食欲が増し、依存症になってしまうと考えられています。甘い食べ物や揚げ物ばかり食べていると、食欲の調節ができなくなり、太ってしまいます。日頃からコンビニやスーパーなどでついついお菓子を買ってしまう、という方は要注意です。太らないためにも、甘いお菓子や脂っこいものを買い溜めしないようにしましょう。
砂糖の誘惑
砂糖と異性化糖の違いって?
砂糖は甘味料の代表的存在ですが、近年では人工甘味料の異性化糖が広く使用されています。
異性化糖は、でんぷんを分解してできるブドウ糖の約半分を果糖に変化させて作られたものです。加工食品で「果糖ブドウ糖液糖」や「ブドウ糖果糖液糖」などで表示されているものが異性化糖に該当します。スポーツドリンクやジュースなどのほとんどに含まれている糖分です。
異性化糖は、砂糖より後味が爽やかなのが特徴です。そのため砂糖に比べて糖分が少ないように思われがち。しかし異性化糖はショ糖と同じ成分・カロリーを含んでいるため、甘さ控えめに見えても糖分の量は砂糖とほぼ変わりません。また異性化糖は砂糖に比べて生産コストが低いため、大量生産しやすくなっています。爽やかな甘さや生産コストの低さから、砂糖に代わって広く利用されている成分です。
大量の砂糖は体を太らせて傷つける
砂糖の主成分「ショ糖」は、ブドウ糖と果糖が結合してできています。ブドウ糖と果糖を大量に摂取すると体内で「糖化反応」が起こり、血管が傷けられるため、注意が必要です。
また、果糖を大量に摂取すると内臓脂肪が増え、満腹感を感じにくくなることがわかっています。大量摂取を続ければ、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール値が高まり、脂質異常症になる確率も上がると報告されています。
「異性化糖なら太らない」はウソ?
異性化糖は、植物のデンプンを分解してつくられる甘味料です。植物由来かつさわやかな甘みなので、一見ヘルシーなように思えますが、含有成分は砂糖の主成分「ショ糖」と同じ。ブドウ糖と果糖で構成されており、カロリーも変わりません。太らない身体を目指す女性にとっては、異性化糖も避けるべき存在なのです。
糖類はどれくらいまでなら太らない?
世界保健機構が2015年に発表している「成人及び子どものための糖類の摂取に関するガイドライン」によると、肥満予防につながる糖類摂取量は1日の総摂取カロリーの5%以下。
大人が1日に摂るカロリーの総摂取量を2,000kcalとすると、糖分は約25gいかに抑える必要があります。しかし、この摂取目安に対して350mlのコーラ1缶では約40gとすでにオーバー。一般的なスポーツドリンク500mlでも1本につき30gの糖分が含まれているため、知らないうちに糖質を摂り過ぎている可能性が高いのです。ここで注意したいのは、5%以下というのは砂糖の摂取量ではなく「糖類摂取量」という点。これまで砂糖の摂り過ぎに注意した人も、代わりに異性化糖を摂っていたなら1日の糖類摂取量をオーバーしている可能性が高いです。
脂質の誘惑
日本人は脂質をとりすぎている
食の欧米化
現代日本の食事では脂質の摂取量が全体的に増えており、「食の欧米化」が進んでいます。
農林水産省の「食糧需給表」では、牛肉や豚肉など脂質が多く含まれている食品の消費量が年々上昇しているという報告が。2016年のデータでは、1日当たりの肉類の摂取量が86.6gとなっており、2001年の76.2gから10g以上増加していることになります。この結果とは対照的に、魚類や野菜、米の摂取量は、いずれも2001年と比べて10g以上減少。この結果から、近年の日本では和食ではなく、欧米流の食事が一般的になっていることが分かります。
日本人の約3人に1人が脂質を摂りすぎている
日本で脂質を摂りすぎている人の数は、2016年時点で約3,000万人。日本人の約3人に1人が脂質を摂り過ぎている計算になります。
厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」によると、脂質の摂取目安は脂質の量ではなく、脂肪エネルギー比率(20%以上、30%未満)で定められています。
脂肪エネルギー比率の計算は、「脂質(グラム数)×9キロカロリー÷総摂取カロリー(約2000キロカロリー)×100」です。計算したことがない方は、いつも食べている食品のパッケージに書かれている脂質量を調べて、計算してみてください。
2016年に厚生労働省が発表したデータによると、脂肪の摂取目安を超えている成人男性の割合は29.1%、成人女性の割合は38.1%です。この数値は年々上昇しており、2003年時に比べて10%以上も割合が増えているのです。
もっとも太っている人が多いのは欧米食文化が進んでいる沖縄県
沖縄県は、国内で最も食の欧米化が進んでいるといわれています。脂質の摂取量が30%以上の人の割合を調べると、男性が42.0%、女性が51.2%という結果に。全国平均と比べて約20%も多く、県内の約2人に1人が脂質を摂り過ぎていることになります。
かつて「長寿日本一」と呼ばれていた沖縄県は、2010年以降に平均寿命の全国順位が急落。厚生労働省による2015年の寿命調査で、47都道府県のうち沖縄県の平均寿命は男性が36位、女性が7位という結果になっています。
肥満は寿命にも影響する
沖縄県の平均寿命が伸び悩んでいる原因として、若年性の肝疾患や糖尿病、循環器系の病気・癌による死亡人数の増加が考えられます。2018年に沖縄県が発表した資料では、35~64歳の男女のうち若年性の内臓疾患・がんで死亡した人の割合が全国でもトップ3に入るほど高く、中年層における肥満者の割合も全国平均を10%も上回っている状況です。沖縄県は戦後のアメリカ軍の駐屯により、いち早く欧米の食文化が流入しました。そのため日本で最も早く食の欧米化が進み、脂質の摂取量が大きく変わったことから健康寿命にも影響が及んだことが考えられます。
脂質を食べると太るわけ
脂質は気づかないうちに摂り過ぎている
脂質を摂り過ぎると肥満が起こりやすくなるのは、脂質自体のカロリーが高いからだと考えられます。
糖質やたんぱく質は1gあたり4kcalなのに対し、脂質は1g9kcalです。同じ量を摂取してもほかの栄養素より2倍多くカロリーを摂取することになるため、脂質は「カロリー密度」が高いのです。
また食べ物の中に含まれる脂質を知らないうちに摂り過ぎてしまっている人も多いのです。大人が1日に必要な脂質は55g程度ですが、100gの牛バラ肉を食べると50gの脂質を摂取する計算に。サバやきな粉など、比較的脂質が抑えられている食品でも約20~30gの脂質が含まれており、少し食べただけでも摂取量の目安を超えてしまいます。
脂質には中毒作用がある
脂質を摂取すると、神経回路の1つである「報酬系」が活性化され、脳がさらなる幸福感や満足感を求めて脂質を摂りたくなる危険が。さらに砂糖が加わることで報酬系が強く刺激され、肥満化や依存を招いてしまいます。脂質や砂糖、異性化糖を含む食品があふれている現代社会は脂質と糖分なしでは生きられない体になってしまうリスクが高いため、食事には細心の注意が必要なのです。
脂質を摂るなら肉類より魚介類がおすすめ
脂質には様々な種類がありますが、特に飽和脂肪酸は過剰摂取を避けるべきでしょう。飽和脂肪酸は内臓脂肪を増やすだけでなく、内臓脂質の炎症を引き起こす作用が。内臓脂肪の炎症が起こると、心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病にかかる危険性が高くなります。飽和脂肪酸は牛肉や豚肉などに多く含まれているため、食べ過ぎないよう調節することが大切です。
一方、魚介類に多く含まれるオメガ3脂肪酸は内臓脂肪の炎症を抑制する効果が確認されています。健康的に痩せるには飽和脂肪酸を含む肉類を避け、オメガ3脂肪酸を多く含む魚介類を積極的に摂取するとよいでしょう。
砂糖と脂質はカロリー単価が安いので使われやすい
砂糖と脂質の摂取量が増えているのは、単価の安さも原因として考えられます。
まずは米や小麦粉など、主食となる食材の購入価格を確認してみましょう。100kcalあたりで計算したところ、食品の単価は以下の通りです。
米・小麦の単価
食品 | 100kcalあたりの単価(円) |
---|---|
米 | 9.3 |
小麦粉 | 7.3 |
パン | 14 |
うどん | 28 |
パスタ | 14 |
米と小麦粉はそれぞれ9.3円と7.3円という価格になっており、小麦粉から作られるパンやうどん、パスタも30円以下とかなり低め。お金をかけずに必要なエネルギーを摂取できることが分かります。
肉類・卵・乳
食品 | 100kcalあたりの単価(円) |
---|---|
国産牛肉 | 219 |
輸入牛肉 | 133 |
豚肉 | 102 |
鶏肉 | 53 |
鶏卵 | 13 |
牛乳 | 19 |
肉類では国産牛肉が219円と最も高く、次に輸入牛肉、豚肉、鶏肉と続きます。肉類で最もコストが安いのは鶏肉の53円です。カロリー単価の差が生じるのは、家畜を育てるのに必要な経費が異なるからだと考えられます。牛・豚・鶏を生産するために必要な飼料はそれぞれ12kg、7kg、3kgとされており、育成コストがそのまま単価として反映されているわけです。つまり肉類でエネルギーを取り入れるなら、鶏肉が最も安いといえます。
肉に比べ、鶏卵や牛乳のカロリー単価はそれぞれ13円、19円となっており、肉類で最も単価が低い鶏肉より約40円近く安い結果に。これは、家畜を殺さずに何度も採取できることが主な理由となっています。
砂糖・食用油
食品 | 100kcalあたりの単価(円) |
---|---|
チョコレート | 36 |
カップ麺 | 43 |
ポテトチップス | 33 |
砂糖 | 5.7 |
食用油 | 8.8 |
砂糖と食用油のカロリー単価を見るといずれも10円以下となっており、米・小麦の単価と並んで安く購入できることが分かります。また、砂糖や食用油を使ったお菓子やインスタント食品なども、単価が50円を下回る結果となりました。
野菜・果物
食品 | 100kcalあたりの単価(円) |
---|---|
ジャガイモ | 33 |
カボチャ | 44 |
キャベツ | 74 |
大根 | 60 |
トマト | 342 |
リンゴ | 74 |
バナナ | 41 |
トマトを除くすべての野菜・果物は、100kcalにつき100円以下と比較的低い結果に。しかし米や小麦と比べるとやや高めになっています。
魚介類
食品 | 100kcalあたりの単価(円) |
---|---|
アジ | 92 |
マグロ | 360 |
エビ | 303 |
魚介類のカロリー単価は、炭水化物や野菜・果物に比べてかなり高めの結果に。日本における魚介類の摂取量は減少傾向にあるのは、こうしたコストの高さが原因の1つとして考えられます。
どのような食事をとるべきか?
野菜をもっと食べる
肥満やメタボリックシンドロームにならないためには、肉類を減らすだけではなく野菜を積極的に食べることが大切です。
現代の日本人は肉類を多く食べるようになり、野菜を食べる機会が少なくなっています。厚生労働省が推奨する野菜の摂取量は350gです。その量に対し、2016年当時のデータによると、日本人が摂取している野菜の量は276.5g。目安の量より約80gも下回っていることが分かりました。
野菜は脂肪対策に有効
野菜は糖質の吸収を抑制する食物繊維が豊富です。そのため、適切な量を摂取することで血糖値の急上昇や脂質の過剰吸収を防ぐ効果が期待できます。
また、内臓脂肪が起こす炎症反応には、野菜や果物に含まれる抗酸化物質が効果的だといわれています。ミカンやグレープフルーツなどといった柑橘系の果物はビタミンCやビタミンEなど、美容にも効果的な抗酸化物質が豊富に含まれているのが特徴です。また、小松菜やほうれん草、トマトなど色の濃い野菜にもビタミンKやリコピンなど、体の糖化反応を抑えるはたらきがあります。日ごろから肉類を多く摂取する方は、メインディッシュと併せて野菜を食べる、軽食をフルーツに置き換えるなどして少しずつ野菜や果物を取り入れてみてください。
朝食を摂る
肥満が気になる人は、毎日朝食をしっかり食べているかどうか確認してみましょう。
数々の研究から、朝食と肥満は無視できない関係性があることが分かってきました。
厚生労働省が行った2016年の健康・栄養調査によると、20代男女の約5人に1人が朝食を抜いていることが分かりました。
朝食を抜くことで、前日の夕食から数えて半日以上も空腹が続き、軽度の飢餓状態に。その結果、飢餓状態を元に戻すために昼食や夕食で強い食欲が生じ、必要量より多く食べてしまうのです。また飢餓状態になると、体が脂質を貯め込もうと必要以上に脂質を吸収してしまうため、肥満のリスクが高まります。
朝食は朝のスタートをスムーズにするだけでなく、肥満を防ぐためにも重要な役割を果たしているのです。
朝食を毎日準備するのが難しいという方は、おにぎりやパンなど片手で手軽に食べられるものから始めてみてはいかがでしょうか。
たんぱく質を摂る
少量で満腹を感じられる万能な成分
肥満の予防・改善には、たんぱく質を摂るのが有効です。たんぱく質は糖質や脂質に比べ、低カロリーでも満腹感が高く、腹持ちがよいのが特徴です。また摂取後の体温を上昇させる効果もあり、エネルギーの消費効率を高められます。少ない量で満腹になるだけでなく、摂取した分だけきちんと消化でき、継続して取り続けることで減量効果が期待できるのです。
うま味成分と併せて摂るとより効果的
たんぱく質は、うま味成分のグルタミン酸やイノシン酸と同時に摂るとさらなる満腹感をもたらします。
ここで、うま味成分に関する研究事例を見てみましょう。
被験者に対し、カロリー0のスープ、炭水化物主体のスープ、たんぱく質を豊富に含むスープの3種類を飲んでもらうように指示。次に、同じ3種類のスープにうま味成分を混ぜ、被験者に飲ませました。すると、たんぱく質を含むスープを飲んだ被験者が最も強い満腹感を感じ、その後の食事量が減少したそうです。
この結果から、うま味成分はたんぱく質の持つ満足度を助長させることが分かりました。
うま味成分とたんぱく質を同時に含む食品を摂ることで、食べ過ぎを予防できます。豆腐入りの味噌汁は、その代表格です。ついつい食べ過ぎてしまう人は、豆腐入りの味噌汁を取り入れてみましょう。
タンパク質はどの食品から摂るべき?
日本人は、主に米や小麦などからたんぱく質を取り入れています。
しかし穀類は糖質も多く含むため、摂り過ぎると糖分過多になってしまう危険性があります。栄養バランスを考慮し、穀類以外の食品を上手に取り入れてたんぱく質を補うとよいでしょう。
肉類でたんぱく質を摂るなら、脂質が最も少ない鶏肉がおすすめです。またカロリー単価も低いため、低脂質・低コストで続けやすくなっています。
どうしても肉類の脂質が気になる人は、植物性たんぱく質を豊富に含む食品がおすすめです。植物性たんぱく質を含む食品で代表的なのが、「畑の肉」と呼ばれる大豆。豆腐や納豆などをはじめ、食用肉の代わりとして大豆を加工したハンバーグやステーキなども販売されています。肉類と同じような満腹感やボリュームを確保しつつ、脂質を抑えてたんぱく質をしっかり補えるのがメリットです。ダイエットのために肉類を控えたい方でも続けやすいでしょう。
太らないための食事方法まとめ
太らない食事をするためには、以下の4点を意識することが大切です。
- 糖質・脂質を摂り過ぎない
- 朝食を摂る
- 野菜を摂る
- たんぱく質を摂る
忙しいからと朝食を抜く、野菜の少ないファストフードをよく食べているという方は要注意です。脂質の高い食品を食べすぎると太ってしまうだけでなく、痩せにくい体になる危険が。野菜には脂質の吸収を抑える作用があり、朝食に取り入れることで、空腹による食べ過ぎも防げます。近年では手軽に栄養素を取り入れられるよう、野菜ジュースや食物繊維入りの食品などが多く販売されているので、野菜不足だと感じる方は試してみてはいかがでしょうか。
最後に、食事は楽しんで続けられることが大切です無理に食事量を減らすのではなく、バランスの良い食事を意識してみてください。
太らないための生活習慣
食べる早さ、タイミングに気を付ける
何気ない生活習慣が肥満を招く
太らない食事を意識していても、食べ方や食べる時間などの生活習慣が原因で太りやすくなってしまうことがあります。
肥満と関係が深い生活習慣の1つが早食いです。周りの人に比べて食べる時間が短い人は要注意です。本来ご飯を食べて感じる満腹感とは、消化管ホルモンの働きによって生じるものです。早食いの人はホルモンの働きが起こる前にさっと食べてしまうため、満腹になりにくい傾向にあります。早く食べることで物足りなさを感じ、食べ過ぎを引き起こしてしまうのです。
野菜嫌い・早食いは肥満のもと
早食いの人は食べるのが簡単なファストフードやパンなど、食物繊維が少ない食べ物を選ぶ傾向があるという報告も。食物繊維は脂肪の吸収を抑え、血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。食物繊維の少ない食事を摂り続けることで、食べた分だけ脂肪が吸収されてしまうのです。
他人より食べる時間が短い人は食べ物を良く噛む、家族や友人といった周囲との会話を楽しむなど、食事の時間をゆっくりとるように工夫してみてください。また野菜が不足している場合はコンビニやスーパーで売られているミニサラダや糖分フリーの野菜ジュースなどで、少量でも野菜を摂るようにしましょう。
睡眠をよくとってストレスをためない
身体は眠らないと空腹を感じやすくなる
食欲は抑制ホルモンの「レプチン」や空腹ホルモンの「グレリン」の分泌量によってコントロールされています。睡眠時間が短い人はレプチンの量が低下するだけでなくグレリンの量も高まるため、強い空腹を感じやすくなるのです。
ストレスはダイエットの大敵
ストレスを抱えていると、野菜や果物を避けて甘いものや脂っこい高カロリーの食べ物を自然と欲するようになります。体に溜まったストレスを緩和するために、脂質や糖分をたっぷり含む食事やお菓子を満腹になるまで食べてしまうのです。肥満を防ぐためには睡眠時間をしっかり摂るだけでなく、ストレスを体に溜め込まないよう適度に発散することが大切です。
食べ物が「見える」「近くにある」状況を避ける
目の前にあると食べたくなる
好きな食べ物やおいしい食べ物を目にすると、ついつい手を伸ばしてしまいます。誰もが経験したことはあるはずですが、実はこうした行為の積み重ねが肥満を招く大きな原因と考えられるのです。
過去に一度「おいしい」と感じた食べ物は強く記憶に残るもの。そしてその食べ物の画像や動画などを目にすると「おいしい」という記憶が呼び起こされ、強い食欲が生じます。
2つの条件が肥満をもたらす
一度口にした食べ物を再び目にする、その食べ物が近くにあるという2つの条件が重なると必要以上に食べてしまう可能性が高くなります。普段の買い物で寄ったスーパーで好きな食べ物やお菓子を見かけたとき、買う予定がなくてもついついカゴに入れてしまうといった経験はありませんか?
こうした事例は外出時だけでなく、家の中でも起こります。例えば食卓の上に好きなお菓子が置かれていると「見る」「近くにある」という2つの条件を同時に満たすため、必要以上に食べ過ぎてしまうのです。
食べ物を視界に入れないようにすると効果的
食べ過ぎを防ぐためには、好きな食べ物を目につかないよう保管するのがポイントです。戸棚やロッカーなど、あえて取り出す手間がかかる場所に置いておくことで間食を防ぎやすくなります。また買い物や散歩時にも、好きな食べ物を販売しているお店やエリアを避けるといった工夫も効果的。おいしい食べ物を目にしない、手に入りづらくするといった少しの心がけをするだけでも肥満を防げるので、ぜひ試してみてください。
小さなお皿、小さなスプーンで食べる
視覚をだますことで少食になる
人間の目は騙されやすい性質を持っています。この性質を利用することで、食べる量を減らせる可能性があるのです。
アメリカのある調査で大・小のお皿とスプーンの組み合わせを4通りつくり、被験者に対してそれぞれの組み合わせで同じ量のアイスクリームを食べるよう指示しました。すると、組み合わせによってアイスクリームの摂取量が変動したことが分かっています。最も多くアイスクリームが食べられたのは大きいお皿と大きいスプーンの組み合わせで、逆に最も少ない量となったのは小さいお皿と小さいスプーンの組み合わせとなりました。
小さな容器を使えば食べ過ぎ防止につながる
別の実験では細長いグラスと太くて低いグラスの2種類に同じ目分量で飲み物を注いでもらったところ、太くて低いグラスの方に多く注ぐという結果となりました。この結果から、被験者は容器の大きさを基準に食べ物や飲み物の量を見積もっていたと考えられます。
食べ過ぎないようにするためには小さな容器に料理を盛ることで見かけの量を多く見せるのが効果的です。飲み物を飲む際も同様で、なるべく細長いグラスに移し替えると飲みすぎを防げるかもしれません。
太らないための運動
座っている時間を減らす
座りっぱなしの人はどんどん太る
座りっぱなしが原因で肥満になることがあります。仕事やプライベートにおいて、動いている時間よりも座っている時間の方が長い方は要注意。アメリカで行われた調査によると、肥満者は非肥満者に比べて座っている時間が約3時間も長く、動いている時間が約2時間短いことが分かりました。肥満者が日ごろの身体活動で消費するカロリー量は、非肥満者より約40%も少ないことになります。
人はまっすぐ立った時、体のバランスを保つために自然と沢山の筋肉を使っているのです。一方、座っている時は立っているときに比べて筋肉をほとんど使わないため、長時間座り続けることで消費カロリーに差が生まれてしまいます。消費カロリーを増やして太りづらくするためには、座っている時間をなるべく減らすことが大切です。
運動不足解消のコツとは?
デスクワークをしている人にとっては、どうしても座る時間が増えるもの。そこで職場でも簡単にできる、座る時間を減らすためのポイントを紹介します。
- 30分に1回トイレ休憩をはさむ、飲み物や資料を取りに行く、不要な書類をシュレッダーにかけるなど、少しでも立つ時間を設ける
- 座ったままかかとを上げ下げする
- 膝を伸ばして脚を上げ、つま先をまっすぐ伸ばしたり直角に立てたりと足の筋肉をストレッチする
運動で痩せるコツ
「運動すれば痩せる」は本当?
運動をしても痩せられないのは、体脂肪の量に対して軽い運動をしているからだと考えられます。体脂肪を1kg減らすには約7,000kcalを消費しなければいけません。一方、軽い運動の代表であるウォーキングの場合だ1時間あたりの消費量は200~300kcal。ウォーキングで1kg減らすには30時間の量が必要です。1日1時間ずつウォーキングをして1ヶ月続けたとしても、1kgしか減らない計算になります。
ジョギングやサイクリング、水泳などはそれぞれ1時間当たり500~600kcal、300~400kcal、700~1,400kcalが消費される計算です。ジョギングとサイクリングでもエネルギーの消費量はウォーキングの2倍程度。一方、水泳の場合だとカロリーの消費量は高いものの、その分体に大きな負荷をかける必要があるので継続が難しくなります。
減量目的で運動する際は、運動で消費したカロリー以上の食事を摂ってしまわないよう注意しましょう。運動後は空腹を感じやすく、達成感や高揚感によって高カロリーの食品を食べてしまいがちです。運動をしても痩せないという方は、運動による消費カロリーを見直したうえで食べる量を調節してみてください。
どんな運動が効果的?
ダイエットに効果的な運動は、「ちょっとだけキツい」と感じる程度の有酸素運動です。運動をすると糖質・脂肪が同時に消費され、運動のキツさによって消費バランスが変動します。中程度の運動だと糖質・脂肪をバランスよく消費できるため、ダイエットに最適です。中程度の運動とは、心拍数が「138-(年齢÷2)」になるもの。例えば36歳の人の場合だと、心拍数が120になる運動がベストです。中程度の運動になっているかどうかをチェックするには、運動中に心拍計で測ってみると良いでしょう。
よりダイエット効果をアップするポイントは?
夕方に運動するのがおすすめ
運動する時間帯は夕方がベストです。夕方に運動をすることで就寝時の体温が上がり、熟睡しやすくなるという効果が。さらに、寝ている間には成長ホルモンの分泌量が増えて運動後の疲れも取れやすくなります。夕方は脳の動きや体の運動能力が活発化しているため、ケガをしづらくなるのが嬉しいポイント。高いダイエット効果を得たい人は夕方に運動をしましょう。
運動後の食事は野菜から食べる
運動した直後は、最初に野菜から食べるのがおすすめです。炭水化物や脂肪を多く含む食品から口にすると、消費カロリー以上に吸収してしまうためダイエット効果が半減してしまいます。脂肪の吸収をブロックする食物繊維を含んだ野菜から食べることでカロリーの摂り過ぎを抑えられ、痩せやすい体を実現できるでしょう。また水分補給は糖分の高いスポーツドリンクではなく、牛乳がベターです。牛乳に含まれるカルシウムによって筋力が増強され、脂肪が燃焼されやすい体になっていきます。運動後の食べ物も意識しつつ、痩せやすい体を目指しましょう。
スポーツをやるなら本格的に始めるのがおすすめ
スポーツは趣味程度にとどめず、本格的に行うと良いとされています。例えばマラソン大会やサイクリング大会など、各地で行われるスポーツイベントに参加することを前提に運動するのがおすすめです。イベントに参加することで、同じ運動をしている仲間が増え、精神的な支えにつながります。交流を深めることによって周囲から刺激も得られ、運動のモチベーションがアップ。またイベントを達成した際の爽快感や達成感を共有できるのもポイントです。こうした活動を続けていくうちに運動が楽しくなり、肉体的にも精神的にも満足感を得られます。運動を楽しんでいるうちに、おのずと健康的な体を手に入れられるはずです。運動をしてもなかなか続かない人は、初心者向けのイベントに参加することから始めてみてはいかがでしょうか。
太らないための考え方
カロリー情報でコントロールできるかも
カロリーが分かれば食べる量をセーブできる
食べ過ぎないためには、食べ物にどのような成分やカロリーを含んでいるかを認識することが重要です。食べ物のカロリーを推測・判断する時は、脳の「前頭前野」という部分が働きます。前頭前野に関して、2009年にオランダで行われた実験を見てみましょう。人は見た目でカロリーを判断する
同じ量の脂肪を含ませた2つのスープを用意し、それぞれ油が浮いて見えるものと見えないものに分けます。被験者を油が見えるものと見えないものの2グループで分け、それぞれのグループで同じカロリー量になるように食べてもらいました。夕食でも同じメニューを出し、今度は満腹になるように食べるよう指示。その結果、昼食で脂肪が見える食事を食べたグループの方が、夕食の食事量が少なくなりました。このとき昼食で出された2種類の食事にどれほどのカロリーが含まれていたかをたずねると、ほとんどの人は脂肪が見える食事の方がカロリーを多く含んでいると回答しています。
この研究結果から満腹感は食べた量ではなく、脳で判断した摂取エネルギー量で決まると考えられるのです。目にした食べ物の脂肪や糖分などを見た目から判断できれば、食べる量を自然とコントロールできるかもしれません。
男女・年齢別に必要なカロリー量って?
食べる量をコントロールするためには、自分に適したカロリー量を把握しておくことが大切です。ここで性別・年齢・身体活動の程度別に必要なカロリー量の目安を見てみましょう。
男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
身体活動レベル | 身体活動レベル | |||||
年齢 | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
18~29歳 | 2,250 | 2,650 | 3,000 | 1,700 | 1,950 | 2,250 |
30~49歳 | 2,300 | 2,650 | 3,050 | 1,750 | 2,000 | 2,300 |
50~69歳 | 2,100 | 2,450 | 2,800 | 1,650 | 1950 | 2,200 |
70歳以上 | 1,850 | 2,200 | 2,500 | 1,450 | 1,700 | 2,000 |
身体活動レベルの目安は以下の通りに考えると分かりやすいでしょう。
- 身体レベルが低い:デスクワークが多く、通勤手段にバスや電車などを利用する。運動をほとんどしない
- 身体レベルが普通:立ち仕事をしている、通勤で5~10分程度歩く、軽い運動をしている
- 身体レベルが高い:立ち仕事をしている、週に1回以上運動をしている
上の表から、男女ともに必要なカロリー量は平均2,000kcal程度だと分かります。太らないためには2,000kcalを超えない程度の食事を心がけるべきです。体重が1kg増えた場合、7,000kcalを消費しなければいけません。1日に必要なカロリーの3倍も多くのカロリーを消化して、初めて元の体重に戻せるのです。一度でも太ると体重の調節に時間がかかるため、ダイエットを成功させるには食べる量の調節が大きなポイントといえます。
食べる量を実は他人に決められていることを意識する
他人の決める食事量を適正と思い込んでいる
私たちの食べる量は、実は他人によってコントロールされているといえます。例えばレストランで食べられる料理や、スナック菓子の容量などは、製造者や料理人があらかじめ量を決めて作っているものです。多くの人は、その食事を残さず完食するのではないでしょうか。つまり、現代の人たちは他人から提供された料理を見ると、その料理を適切な量だと思いこんでしまう傾向にあると考えられるのです。
出された量を食べ続けてはいけない
アメリカでは1980年にマフィンやハンバーガーなど一部の商品のカロリーが従来に比べ2倍以上増加しました。また同時期にアメリカ人の平均体重や肥満者の数も増加していることが分かっています。このことから、人は普段の食事量を強く意識せず、知らないうちに食べ過ぎている傾向が示唆されているのです。
太らないようにするには、自分で食べる量をしっかり決めることが大切です。他人が決めた食事量をうのみにせず、適正な量を頭で判断できるようにしましょう。
記録するレコーディングダイエット
ダイエット成功のカギは前頭前野にあり
人間の体は食べ物の栄養素やカロリーを視覚的に分析する「前頭前野」が働くことで、食べる量を無意識に調節すると考えられています。前頭前野を正常に働かせるには、食べたものを記録することでカロリーを視覚化できるレコーディングダイエットが有効です。
体重を記録するだけで痩せていく?
レコーディングダイエットは1970年代に誕生したダイエット法です。ダイエットに挑戦した人の中には、1年間で50kgの減量に成功した方もいます。レコーディングダイエットのやり方はとても簡単。毎日体重計に乗って体重を記録するほか、その日に行った食事や運動の内容、ダイエットを通して感じたことなどをノートに記録するだけです。
グラフでダイエット効果アップ
体重計に乗るのは1日につき朝・晩の合計2回がおすすめです。体重の測定は減量効果を高めるだけでなく、体重キープにも有効であることが研究により分かっています。レコーディングダイエットでは運動や食事よりも、自身の体重をしっかり把握するよう意識しましょう。
体重の変化は折れ線グラフで記録すると効果的です。体重の変化が一目で分かるため、継続するモチベーションアップにもつながります。
食事と運動の記録について
レコーディングダイエットでつける食事・運動の記録は質にこだわり過ぎず、自分に合った方法で続けるのが大切です。近年では万歩計アプリだけでなく、写真を撮るだけで自動的にカロリー計算をしてくれるアプリも出ています。手軽に記録をつけたい方は試してみてください。
体重・食事・運動の関係性をチェックする
レコーディングダイエットは、体重・食事・運動の3つを同時に記録し続けることがポイントです。食べ過ぎたときに意識して運動を多めにすると、その分体重が元に戻りやすくなります。また、よく運動すると体重が落ちやすくなってご飯も美味しく感じるように。3つの要素が相互にもたらす作用を認識すれば、体にとって何が必要か把握しやすくなります。自分の体に関心を持つことがダイエット成功への近道なのです。
抗肥満薬の現状
抗肥満薬は飲むことで肥満を改善する効果がある反面、強い副作用もあることから研究・開発が進んでいないのが現状です。ここでは、今まで利用されてきた抗肥満薬の一例を見てみましょう。
薬名 | 期待される効果 | 副作用 |
---|---|---|
リモナバン | 食欲の抑制効果 | うつ状態を引き起こす |
マジンドール | 満腹感を感じやすくする 代謝を良くする | 依存症を生じさせる |
セチリスタット | 体内への脂肪吸収を抑制する | 下痢 |
リモナバン
リモナバンは食欲を抑制して肥満を改善する効果があるとされ、2006年に海外で利用が開始されました。しかし、服用者のほとんどがうつ状態を起こしてしまったことで効能が危険視され、2008年に販売が中止になっています。マジンドール
マジンドールは、日本の医療現場で唯一使用されている抗肥満薬です。幸福感をつかさどる報酬系神経を刺激し、少しの量でも満腹感をもたらす効果があるといわれています。一方、長期間服用すると依存症を生じさせるリスクも。そのため、マジンドールの服用期間は3ヶ月のみと定められています。
セチリスタット
セチリスタットは脂肪を分解する酵素の働きをブロックすることで、体内への脂肪吸収を防ぎます。日本では用いられていませんが、アメリカではドラッグストアで購入できるほど身近な薬です。体内の排泄機能をコントロールする小腸に働きかけるため、下痢を起こしやすくなるリスクがあります。
ホルモンや神経へのアプローチが新薬開発へのカギ
海外の製薬企業では、副作用が少なく肥満への効果も高い抗肥満薬の開発が進められています。特に注目されているのが消化管ホルモンの作用を刺激する薬です。消化管ホルモンは、脳神経の一部である「迷走神経」に指令を指し、満腹感を生み出す作用があります。こうした消化管ホルモンの作用を模倣することによって、脳への影響が少ない抗肥満薬が実現できると考えられているのです。しかし迷走神経に関する臨床実験はデータが少ないため、満腹感を生み出す仕組みについては謎に包まれています。安全で効果の高い抗肥満薬が開発されるには消化管ホルモンと迷走神経の研究や、満腹感が生まれる仕組みの解明が重要なポイントとなりそうです。
医療保険制度では肥満の治療・改善が難しい
肥満を医療保険の範囲内で治療・改善する場合は、BMIが30以上である必要があります。さらに抗肥満薬を使うとなるとBMIが35以上でなければ医療保険は適用されません。この制度に対し、日本における肥満者と認められた人は総人口の3.5%、抗肥満薬を服用できる人は0.5%未満と極めて少数です。残りの肥満者は、糖尿病や高血糖、高血圧などを起こして初めて医療保険が適用されるようになっています。
日本の医療における肥満対策制度は、充実したものではありません。そのため、肥満を未然に防ぐ対策として1人1人が日頃の食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。
太らないための方法まとめ
太らないための食事方法
痩せやすい体づくりをしたいなら、糖分と脂質のバランスに気をつけながらたんぱく質や野菜をしっかり摂るべきです。朝食を抜くのも太りやすくなる原因に。空腹の時間が長いと体が栄養素を蓄えようとして、脂質や糖分を過剰吸収してしまいます。脂っこいものや砂糖たっぷりの食品を好む方だけでなく、朝食を抜きがちな方も十分に注意しましょう。たんぱく質が豊富な大豆や卵などは、少しの量でも満腹感を得られるうえ腹持ちも良いのが特徴です。朝食ではたんぱく質がたっぷり含まれた豆腐入りの味噌汁を飲むと良いでしょう。しかし、どうしても朝忙しいという方はゆで卵やミニサラダなど片手で食べられる食品がおすすめ。食べ過ぎや脂肪の吸収を防げる組み合わせなので、ぜひ試してみてください。
太らないための生活習慣
太らないためには日ごろの生活習慣を見直すことが大切です。目の前に好きなお菓子を置かないようにする、小さな皿で食事をする、早食いにならないように気を付けるなど、少し意識を変えるだけで太りづらくなります。ここで気を付けておきたいのは、我慢のしすぎです。我慢をするとストレスが溜まり、脂肪を溜めやすい体になるので要注意。肥満の大敵・ストレスと上手に向き合うためには我慢しすぎないよう食べる量を調節し、睡眠を十分にとることがポイントです。
太らないための運動
運動でやせるなら、消費カロリーを把握することが重要です。運動をしても効果を感じない方は、摂取カロリーと運動量が見合っていない場合がほとんど。そのため、闇雲に運動をするのではなく食事量を調節していくのがおすすめです。
日頃運動が足りてないと感じる方は、座る時間を少しでも短くすることから始めてみましょう。座っている時間が長いと全身の筋肉を使わなくなり、代謝が落ちて脂肪を燃焼しづらくなってしまいます。仕事の都合でどうしても座る時間が長い人は、座ったままできるストレッチやエクササイズを始めてみましょう。無理なく自分のペースで続けることで、脂肪が燃えやすい体に近づいていくはずです。
太らないための考え方
ダイエットを成功させるために必要なのは、運動・食事・体重の関係性を把握しておくことです。現在の体重と減らすべきカロリーを把握しておくことで、食べる量や運動量を自分で決められます。ダイエットに必要な情報が分かっているため、食べ過ぎや運動不足を自然と防げるようになるのです。また、毎日の記録をグラフで分かりやすくすることで達成感やモチベーションにつながり、継続しやすくなります。自分の体に興味を持って変化を楽しみながら、太らない身体づくりを目指しましょう。